最近良く目にする不動産投資と賃貸経営のワード。
似たような言葉ですが、厳密には違う意味があります。
平成27年の相続税法改正や、銀行融資の緩和を受けて、アパート経営が一気にブームになりました。
それで、大家さんになって悠々自適な生活をイメージする方が多いかもしれません。
しかし、現実はそううまくはいきません。
賃貸経営は所有している賃貸物件を運用する、という事業的な側面もあり、やることは意外と多いです。
不動産投資も賃貸経営も、大家業を指すうえではどちらも同じ意味合いを含んでいますが、観点が若干違います。
不動産投資って何? 不動産投資と賃貸経営の違い①
不動産投資は文字通り投資のことで、投資の対象が不動産である場合、不動産投資と言います。
株や債券、FXと同様に、自分の資産を運用して収益を上げることを目的としています。
株やFXは、基本的には、買った時よりも高くなった時に売買し、利益(キャピタルゲイン)を得る投資のため、ハイリスクハイリターンと言われています。
目まぐるしく変わる市況マインドを判断して売買をするためには、チャートから目が離せません。
また株やFXは、巨額の資金を動かせる投資家の影響を受けやすい投資です。
一方で、不動産を対象とする投資は、他の投資と比較し、ローリスクローリターンと言われています。
この投資は、アパートやマンションを取得し、それを賃貸して家賃収入(インカムゲイン)を収益とする投資です。
家賃収入は、市況が悪くなったからといって、翌日からいきなり半額になるものではなく、数ヶ月〜数年かけて徐々に変動しますので、市況変化に対応しやすいメリットがあります。
また、現物投資のため、最終的には土地が残りますし、ご自身でリフォームなどすることにより、投資改善することができる点も他の投資とは違う部分です。
賃貸経営って何? 不動産投資と賃貸経営の違い②
賃貸経営とは、賃貸物件を所有し、家賃収入を得る事業を意味します。
大家となって家賃収入を得る目的は、不動産を対象とする投資と同じですので、不動産投資の一種といえます。
不動産投資を行うことは賃貸経営を行わなくても、可能です。
例えば、海外に物件を買って、現地のエージェントに運用を任せてしまうのも、立派な不動産投資の形です。
一方、賃貸経営は所有する物件を実際に自分の判断で運用する、という事業的側面があります。
不動産投資は自分で事業としての経営的判断を行う必要はありませんが、賃貸経営の場合は判断が必要になってくる、という点が大きな違いでしょう。
もう一つの大きな違いは、アパート建設の目的が、収入を得ることではなく、節税の場合が多くある点です。
たくさんの不動産を所有する地主は、相続税対策に苦慮しています。
土地のまま所有しているより、あえて借金をして賃貸物件を建てた方が相続税法上は節税につながるため、こぞってアパート建設がされました。
しかしながら、節税対策にはなっても、入居者の確保が難しい場所に作ったアパートも多く、今後経営が成り立たない物件が多数出てくることも予想されます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
不動産投資と賃貸経営は、賃貸物件を所有することは同じですが、目的が違うことがお分かり頂けたでしょうか。
人口減少時代に突入し、一昔前の大家さんのような業者任せの投資や経営は成り立ちにくくなっています。
あくまで賃貸物件を貸して収益を得る「賃貸事業」として経営する感覚が必要になってきています。
不動産を対象とする投資ブームが起きたことで、賃貸事業のノウハウは簡単に調べることができます。
または、迷ったらまずは専門家に相談しましょう。
私たちホームメイト四ツ橋本町店では、不動産投資に関するご相談も承っております。
何かわからない点がございましたら、お気軽にご相談ください。